“吉本鎖国問題”に「めちゃくちゃ残念です」
――冒頭で少しお話のあった、吉本の劇場に他事務所の所属芸人が出演できない、いわゆる“吉本鎖国問題”なんですが……。
楢原 僕らになすすべはないんですよ。国が閉じちゃったので。
――残念ですよね。
楢原 めちゃくちゃ残念ですよ。でも向こうの言い分もめっちゃわかるんです。自社のタレントよりも、他事務所の芸人呼んで、そこに集客頼ってたらダメじゃないかと。他所の事務所の芸人に経験値積ませるなら、自社の芸人が1人でも多く舞台に立てるようにしなきゃダメじゃないかと。もちろんわかるんですけど、でもゼロはないんじゃないですかー。旦那ー。って思ってます(笑)。
出井 寂しいよな。
楢原 そこは寂しいなあ、だけですね。向こうが言ってること100%合ってるので。
出井 でも何が起きるかわかんないですものね。本当に何が起きるかわからない。テレビとの付き合い方もそうですけど。お笑い界全体はどうなっていくのかっていうのはね、ほんとにわかりません。
芸人たちがただ「戻ってきてほしい」だけを言ってる場合じゃない
――1年前にインタビューお願いしてから、まさにお笑い界は激動でした。今も激動の最中。テレビ、そしてダウンタウン。
出井 ダウンタウンさんって本当にすごいし、まごうことなきカリスマなんです。お二人が今までやってこられたこと、芸人から見てダウンタウンの功績ってはかり知れないものがあるし、みんな大好きなんですよ。
だからといってああいう問題が起きて、何があったかはっきりわからなかったり言えなかったりするんでしょうけど、芸人たちがただ「戻ってきてほしい」だけを言ってる場合じゃないけどなっていうのはすごく思いますよね。そりゃ俺らは会いたいけど、今しなきゃいけないのそれじゃないじゃんって。
――もはや芸人の世界だけの人じゃなくなっていましたし。
出井 そうなんですよ。
楢原 僕は「芸人だから」っていう言葉がめっちゃ嫌いで。嫌なんですよ。「芸人に品行方正求めないでよ」みたいなこと言ったりするじゃないですか。
――言いますね。
楢原 たしかにそうなんですけど、昔からダメな人がやってたっていう部分もあるんですけど。だったらお前らもらいすぎじゃね?って思うんですよ。
出井 お金をね。
楢原 やっぱりそんなお金をもらっといて「品行方正だけは求めないでください」って言ってもそれはちょっと都合が良すぎるんじゃないかな。
――わかります。
楢原 それは自分も嫌なんですよ。本当に僕個人の意見ですけど。自分はもらいすぎだと思ってるので。別に誰のためにやってるわけでもない、自分がやりたいからやってるだけで、お金たくさんもらうってどういうことなんだろうと。そう考えるとやっぱり品行方正は守れよって思っちゃう。
――楢原さんは品行方正ですか。
楢原 真面目なんでね。
出井 うちの相方、品行方正ですから。「品行方正-1」だったらもうね、何連覇かしてるはず(笑)。
――H-1グランプリ。
出井 H-1さえあればね……。