「永久不滅ポイント」の名付け親は、日本を代表するコピーライターの仲畑貴志さんです。彼には1982年からずっとウチのCMを作ってもらっています。それ以前は、私が考えた「ドリームポイント」でやっていたんですが、鳴かず飛ばず。それで仲畑さんにお願いしたところ、「わが巨人軍は永久に不滅です」にヒントを得たのです。

　仲畑さんが、CMに長嶋さんを起用したいと言いだしたので驚きました。というのも、仲畑さんはCMに有名人を使わないで、そのぶん浮いたお金でもっとCMを多く放送すべきとのポリシーの持ち主だったからです。

　カウンター席の真ん中に、長嶋さんしか座ることの許されない「背番号3」の席がある寿司屋さんが、福岡にあります。実は、仲畑さんはその店の常連。やはり長嶋さんが好きだったのでしょう。

　今でも忘れません、2004年の2月20日、つまり長嶋さんの68回目の誕生日に、会食しながら正式に出演をオファーしました。話はトントン拍子に進み、3月6日に撮影することが決まりました。

　CMの絵コンテも完成して、長嶋さんに見てもらいました。都内の某ホテルにある螺旋（らせん）階段が舞台です。その階段の手すりにのった長嶋さんがスーッと鮮やかに滑ってきて、タッと着地するなりセゾンカードを切る、というものでした。

「これ、ボク自身がやるんですか？」

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