戦中派から見る昭和100年

平山 周吉 雑文家

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エンタメ 読書

『戦中派』前田啓介/講談社現代新書

『女たちよ、大志を抱け』飯田未希/中公選書

『永遠の三島由紀夫』執行草舟/実業之日本社

「戦後80年」というよりも、これこそ「昭和100年」という、非常に大事な本が書かれた年だった。現役世代からすると「祖父」「祖母」にあたる「戦中派」に焦点をあて、彼ら彼女らの戦前戦中戦後と、いまの自分たちを結ぶ回路を見出している。新たな「継承」がそこにはある。

『戦中派 死の淵に立たされた青春とその後』は、戦争で最も多くの犠牲者を出した世代の全体像を描く。著者の祖父は大正14年(1925)生まれで、予科練の生き残り。亡き祖父から話を聞くかのように、さまざまな人に取材する。有名無名は問わない。100歳前後の人々が最後を託する発言を、著者は丹念に集める。

 

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source : 文藝春秋 2026年1月号

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