高市政権に各紙「専守防衛」、結党70年「大型連載」の成否、立花党首逮捕の本質

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手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!

★高市政権に各紙「専守防衛」

 内閣支持率は80%を越え、高市早苗首相は午前3時から国会答弁の準備を始める。なんとも意気軒昂な新政権の船出だが、正反対に元気がないのは昨今の政治報道である。

 それこそ、世論調査の記事でさえ歯切れが悪い。朝日新聞デジタルは10月29日、「サナエノミクスで内閣支持、好発進 期待感先行、山高ければ谷深し?」との解説記事を配信した。毎日も28日、「高市内閣『ロケットスタート』 高支持率に早期解散論も 与野党反応」と題した記事で、「自民への不信感は払拭されていない」との国民民主党参院幹事長の声を特記した。

 先々の失速を占ったり、衆院解散に歯止めをかけたりと、浮き足立つにも程がある。自社の調査に自信があるのなら、政権の堅調さと野党の低調ぶりを精査して、双方に課題を突き付ける方が世のためになろう。

 社説も何だか、相手の出方を待ち構える「専守防衛」どまりだ。

 朝日は10月22日、「高市内閣発足 急進的な『改革』姿勢への危惧」とし、11月14日には「非核三原則 堅持疑わせる首相発言」と書いた。毎日も11日、「存立危機事態と首相 答弁の重み自覚すべきだ」と首相を戒めたが、17日には逆に「中国の3隻目空母就役 海洋覇権の動き懸念する」と中国の軍事拡大に矛先を向けた。

 前のめりな動きに待ったをかけるのは分かる。だが、相手構わず「危惧」や「懸念」を乱発するようでは心許ない。対案も持たずにアラ探しするのか、と思われるだけだ。

 それもこれも、自ら招いた隘路かもしれない。朝日の女性編集委員が11月8日に「多事奏論」で書いたコラムを読むと、その感が深い。

 トランプ米大統領の隣で「はしゃいでいた」首相をテレビで見て「ああ、かつての私も、たぶん、こんな風に、『権力者』の隣でキャピキャピ音をたてていたのだろう」と思い出す。そこから「自らの古傷をうずかせている私と同世代かちょっと上くらいの女性は少なくなく」「一様にげんなりしている」と続く。

 さらに、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の女性に電話し、「もうニュース見たくないですよ。怒ってますよ」という言葉を引き出す。

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source : 文藝春秋 2026年1月号

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