このたび、「猿橋賞」という、自然科学分野で優れた研究業績を挙げた女性科学者に贈られる賞をいただいた。これは、猿橋勝子博士が1980年に設立した「女性科学者に明るい未来をの会」の事業として、毎年1名に贈られる学術賞である。第1回は、集団遺伝学の理論的研究を進められた太田朋子先生に贈られている。今年で45年目、つまり私が45人目の受賞者ということである。このような歴史のある賞を受賞できたことを、心より光栄に思う。
今回の受賞題目は「昆虫脳における聴覚情報処理原理の解明」である。「ショウジョウバエ」という小さなハエを使って、脳が音や重力の情報をどう処理しているかを解き明かした研究成果が評価された。

ハエの触角には「ジョンストン器官」という小さなセンサーがあり、ここで音と重力の情報をまとめて受け取る。しかし、その情報がハエの脳に送られた後、どのように処理されているのかは分かっていなかった。
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