いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。

日本を世界から「人、知、財」が集まる国にしたい。私はかねてからそう考えてきました。しかし、日本経済を取り巻く状況は非常に厳しい。そこで2024年12月、経済界などの有志らで結成したのが「日本改革会議」です。経済財政諮問会議に提出された経済財政に関する試算や、各シンクタンクのレポートを徹底的に分析したうえで、日本復活の処方箋を取りまとめ、2025年7月に途中報告を発表しました。
まずは日本経済の現状から見てみましょう。最も象徴的なのは、ドルベースで比較した2003年から2023年までのGDP成長率です。この20年間、中国は972%、シンガポールは414%、米国は139%、ドイツは78%成長しました。ところが、日本だけがマイナス7%。言うならば、完全に「失われた20年」なのです。1989年の世界時価総額ランキングではトップ20社のうち、14社が日本企業でした(1位=日本電信電話、2位=日本興業銀行、3位=住友銀行)。しかし、2025年のランキングには1社も日本企業は入っていません。AppleやMicrosoft、NVIDIAなどAIに注力する米テック企業が上位を占めています。
この状況を復活させるにはどうすればいいのか。経産省主導で半導体のラピダスに投資したりしていますが、そうした短期的な政策だけでは意味がない。もっと根本から国のあり方を変えていく必要があります。特に私が強く訴えたいのは、企業経営の概念を国全体にも適用してみること。各種改革で会社の利益が増大するように、GDPが成長すれば税率が下がってもおのずと税収が上がっていく。
なかでも、【1】小さな政府化、【2】働きがい改革、【3】戦略的な国際人材の活用、【4】規制改革等――この4つの改革で日本経済は大きく成長します。その理由を詳しく説明していきましょう。
【1】小さな政府化((1)減税、(2)地方制度改革)
(1)減税
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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

