陛下の「かたち」が今後の基礎になる
渡邉 次の元号が令和に決まり、いよいよ平成が終わりを迎えます。羽毛田さんとは宮内庁長官と侍従長として、ともに天皇皇后両陛下のお側にお仕えしてきましたが、こうした対談は初めてですね。
羽毛田 そうですね。現在は参与として月に1回程度参内していますが、非常勤の仕事のほかは千葉の自宅で畑仕事に精を出す毎日を送っています。
渡邉 私も早いもので侍従長を退任して12年くらいたちました。羽毛田さんと一緒に両陛下にお仕えしたのは都合6年くらいでしょうか。
最初、私が侍従長をしていた時に次長として宮内庁に来られてそれから長官になられ、そのあと私が退いたという関係ですけれど、羽毛田さんが次長でいらした頃は、例えば、私が陛下から仰せつかったことを、羽毛田さんの前任の湯浅(利夫)長官のところに持って行き、そうすると湯浅さんは必ず羽毛田さんにも声をかけられて3人で相談してということがありましたね。
羽毛田 そうでした。湯浅さんから渡邉さんに声をかけて3人でということもありました。それで思い出しましたけれど、平成13年に厚生労働省から次長として着任したときに、最初に宮内庁の仕事についてご注意いただいたのは渡邉さんからでした。
あれはある儀式の場だったと思いますけれど、陛下が入場していらっしゃり、その後から渡邉さんが随従していらした。私は次長になったばかりで、陛下のお姿を見たらすぐにお辞儀をし、そのまま陛下が前を通りすぎられるまでずっと頭を上げずにいたのです。そうしたら渡邉さんから「陛下は職員との間でも心を通じ合うことを大事にされているので、まず陛下の目を見てからお辞儀をし、その後は頭を長く下げていなくてもいいですよ」とご助言をいただいたのです。
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source : 文藝春秋 2019年5月号