「平成から令和へ継承すべきもの」

天皇皇后両陛下 123人の証言

渡邉 允 元侍従長
羽毛田 信吾 元宮内庁長官・宮内庁参与
ニュース 社会 皇室

陛下の「かたち」が今後の基礎になる

退位奉告の儀に臨まれる天皇陛下(宮内庁提供)

 渡邉 次の元号が令和に決まり、いよいよ平成が終わりを迎えます。羽毛田さんとは宮内庁長官と侍従長として、ともに天皇皇后両陛下のお側にお仕えしてきましたが、こうした対談は初めてですね。

 羽毛田 そうですね。現在は参与として月に1回程度参内していますが、非常勤の仕事のほかは千葉の自宅で畑仕事に精を出す毎日を送っています。

 渡邉 私も早いもので侍従長を退任して12年くらいたちました。羽毛田さんと一緒に両陛下にお仕えしたのは都合6年くらいでしょうか。

 最初、私が侍従長をしていた時に次長として宮内庁に来られてそれから長官になられ、そのあと私が退いたという関係ですけれど、羽毛田さんが次長でいらした頃は、例えば、私が陛下から仰せつかったことを、羽毛田さんの前任の湯浅(利夫)長官のところに持って行き、そうすると湯浅さんは必ず羽毛田さんにも声をかけられて3人で相談してということがありましたね。

 羽毛田 そうでした。湯浅さんから渡邉さんに声をかけて3人でということもありました。それで思い出しましたけれど、平成13年に厚生労働省から次長として着任したときに、最初に宮内庁の仕事についてご注意いただいたのは渡邉さんからでした。

 あれはある儀式の場だったと思いますけれど、陛下が入場していらっしゃり、その後から渡邉さんが随従していらした。私は次長になったばかりで、陛下のお姿を見たらすぐにお辞儀をし、そのまま陛下が前を通りすぎられるまでずっと頭を上げずにいたのです。そうしたら渡邉さんから「陛下は職員との間でも心を通じ合うことを大事にされているので、まず陛下の目を見てからお辞儀をし、その後は頭を長く下げていなくてもいいですよ」とご助言をいただいたのです。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

「文藝春秋電子版」は雑誌付きプランが断然お得!! 電子版分は実質無料 今すぐお申し込み

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2019年5月号

genre : ニュース 社会 皇室