東京大学史料編纂所教授の本郷恵子さんが、令和に読み継ぎたい名著3冊を紹介します。
『古文書学入門』は1971年初版、97年に古文書例文の増補や語彙の補訂等を行った新版が刊行された。古代~中世の古文書の様式や解読を学ぶための基本図書で、大学の古文書学の授業等で一貫してテキストとして使われてきた。古文書とは、差出者と受け取り手のあいだでのコミュニケーションの手段である。それがどういうスタイルをとるかは、両者の力関係や書かれている内容の性格、背景となる社会における支配や規範の形態に左右される。1通の文書の中にこめられた多様な情報を通じて、世界の構造を知ろうとするのが古文書学だといえるだろう。
著者の佐藤進一氏は、2017年に100歳で逝去された。私自身は面識がないのだが、錚々たる先生方が、佐藤先生がどんなに怖い師で、凄い研究者であるかを、折々に語っていたのを思い出す。
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source : 文藝春秋 2020年1月号