人はなぜ恐れを抱くのか
恐い本というのは、自室の本棚で異様な存在感を放つ。読み終わったあとでも、その背表紙の題名が、チラと目に入るだけで、読んでいたときのザワザワが思い起こされる。
だから子どものころは怪談の本を本棚に置いておけなくて、冷蔵庫の横のすき間に放り込み、見えないように隠した経験がある。
しかし今度は冷蔵庫が恐くなってしまい、(冷蔵庫の扉を開けたら、なぜかあの本が野菜コーナーとかに入ってたらどうしよう……)と突拍子(とっぴょうし)もない想像をして、おびえたものだ。読んだあとの影響力が絶大だ。『恐怖心展』のこの本は、展覧会での内容を紹介し、さらに特装版となったバージョンだ。かなりのファンに向けて作られたのか、お値段も高く、そして持っているのが嬉しくなるような、豪華でスタイリッシュな造りである。本の中身、内容は十分恐く、また霊的な恐しさというよりは、人間がうまく説明できないが本能的にゾッとするものを詰め込めるだけ詰め込んであるので、さっき言ったような“本棚に置いておけない度”はMAXに達するはずだ。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2026年6月号

