このあいだ、娘がぽつりと言った。
「じゃあ、ちょっとAIに相談してみる」
え? なにそれ。別に深刻な相談ではなく、生活上の疑問を解決したかっただけのようだが、それにしても、目の前にいるんだから、まずお父さんに相談しなさいよ。おい、どこへ行く。

世の中なんだかAIだ。こんなにAIでいいんだろうか。
最近のネット広告は怪しい画像や映像ばっかりだ。「このイラストレーター、無名なのに上手いな」と思ってしまうのは作者が生成AIさんだから。「この広告のお姉さん、人間離れしてきれい」なのは、人間じゃないから。
ネットの記事や音声だってAIでつくっているものがけっこうあるはずだ。いや、ネットの中だけじゃなく、世間のいたるところにAIの魔の手が忍び込んでいるに違いない。
時代が進むと消えてしまう職業は何か、という話題は昔からあるが、これまでは何の根拠もなく小説家はだいじょうぶじゃないかとタカをくくっていた。が、これからはそうはいかない。「いまはまだAIにちゃんとした小説は書けない」という意見もあるが、「いまはまだ」は「そのうちきっと」とも言い換えられる。なにしろ“敵”は古今東西のあらゆる小説を読み込んでいるのだ(そもそも私に「ちゃんとした小説」が書けているのか?)。
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