7月23日、東野圭吾さんが逝去されました。福山雅治さんとの対談をここに再録いたします
福山雅治演じる天才物理学者・湯川学が難事件を解決する「ガリレオ」シリーズは、東野圭吾の代表作の一つだ。2022年9月に公開された映画「沈黙のパレード」では、変わり者の湯川に捜査協力を依頼する女刑事・内海薫(柴咲コウ)や先輩刑事の草薙俊平(北村一輝)といったおなじみのキャストが9年ぶりに再集結。原作者の東野圭吾と、テレビドラマ・映画を通して湯川学を演じてきた福山雅治。プライベートでも親交の深いふたりが、「沈黙のパレード」や「ガリレオ」シリーズについて語り合った。(「文藝春秋」2022年10月号掲載)
福山 9年ぶり――といっても、あまり久しぶりな感じは僕は全然してないんです。あっという間に時間が経っていて、ブランクは感じなかったですね。やっぱり自分の中にずっと、湯川学という存在がいたんだなと。

東野 映像化がなかった間、僕もずっと「ガリレオ」を書いているわけで、9年ぶりという感覚はないですね。それに、僕は書く時に映像を思い浮かべながら書くほうなんですが、はっきり言って、湯川は福山さんなんですよ。福山さんとは時々お会いしていますから9年前の福山さんじゃなくて今の福山さんを見て、それで想像して書いている。だから、久しぶりの映画でもあんまり抵抗がなかったですね。
福山 「沈黙のパレード」の映画を撮る前に、スペシャルドラマ「禁断の魔術」(2022年9月17日放送・フジテレビ系列)の撮影から入ったんです。その衣装合わせの時に、まずオールスタッフで集まります。カメラさん、音声さん、照明さん全員に見てもらうんです。衣装を着て湯川さんになってスタッフさん達の前に出た時、「あ、湯川さんだ」と思ってもらえたら、それが正解だと考えてました。だからその衣装合わせが一番緊張しましたね。そこで「あれっ、なんか違っちゃったな」と思われちゃったら、これはだいぶ調整しなきゃなと思っていたんですけど、いい手応えだったと思います。「あ、湯川さんだ」という空気だったので。
東野 スクリーンでもまったく違和感なかったですよ。
変化させなきゃ気が済まない
福山 ありがとうございます。ただ、僕も年齢を重ねて、どうしても役に自分自身がにじみ出てきてしまってるような。湯川さんになり切ろうとしても、福山の実年齢とか、自分が経験して感じてきたことはどうしても出てしまう。ただ、湯川さんが全てを超越した存在なのもリアリティがないし、精神的な変化がまったくないわけではないだろうと。そのあたりの塩梅というのは常に、僕はもちろん、監督をはじめとする映像化する時のチームも、トンマナ(トーン&マナー。コンセプトや雰囲気の一貫性)は持っているわけです。
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