日本人のうなぎへの執着が「完全養殖」に結実したのかもしれない

vol.177

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「文藝春秋」の編集者が明かす、電子版限定の“ここだけの話”

 みなさん、最近いつうなぎを食べましたか。年に何回くらい食べますか。そもそも、好きですか。

 これまで私は積極的には食べてきませんでした。国際的にも、国内的にもニホンウナギは「絶滅危惧種」に指定されています。そんなうなぎをわざわざ食べる意味がよくわからなかったし、別段美味しいとも思っていませんでした。なぜ日本人はここまでうなぎに執着するのか、本当に謎でした。

世界で初めて市販された完全養殖うなぎの蒲焼 ©時事通信社

 それが最近になって、美味しいうなぎを食べる機会に恵まれました。ある企業経営者の方に連れていってもらった店で出てきた、ふわっふわっの白焼き。ほんとうに忘れられません。齢30にして、人生の選択肢にうなぎが入ってきたわけです。

 ただ、それでも脳裏をよぎるのは「絶滅危惧種」の文字。本当に食べていいのだろうか……。そんな時に飛び込んできたのが、「完全養殖うなぎ」の蒲焼が世界で初めて試験販売されるというニュースでした。ついに「絶滅危惧種」の文字を気にせずに食べられる。2尾で9720円! 決して安くはありませんが、手が届かない値段ではない。一気に取材したくなりました。

 完全養殖うなぎとは、(1)養殖で育てた親うなぎから採卵・受精させ、(2)孵化した仔魚(レプトケファルス)をシラスウナギまで育て、(3)さらに親とし、再びそこから採卵する、という循環が出来上がったものを指します。

 勘違いしやすいのですが、通常の養殖は、天然のシラスウナギを採ってきて、成鰻まで育てたものなので「完全養殖」ではありません。

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