4月の半ば、新型コロナで在宅勤務になった独身の男友達に「生活どう?」と尋ねたところ、「毎日ゆっくり寝られて体調バッチリ」との返事。通勤や無駄な会議のストレスがなくなり、自炊や掃除をするようになったそうだ。
ネットでも「在宅勤務ができないので通勤しているが、電車に座れるし混雑もないので快適、このまま続いてほしい」という声が聞かれた。
その後、緊急事態宣言も解除され、また在宅勤務から通勤に戻った会社も多いようだが、上司にとっては「テレワークで部下がサボっているのではないか」という心配もあったらしい。
わかる。我ら漫画家もデジタル化した人が多く、遠くに住んでデータをやり取りするデジタルアシスタント(デジアシ)を使ったりする。
デジアシさんを頼んでいて思うのは、サボってようがサボってなかろうが、気にしても仕方がないということ。サボる人はどこで仕事をしてもサボるし、サボって時給分を請求されてもこちらはわからない。
結局、仕事が遅い人には簡単な仕事を、早い人には難しい仕事をお願いすることになる。こっちは仕事の早さとクオリティが大事で、サボるサボらないより重要なのは出来高だ。
仕事の遅い人(大体においてクオリティも低い)には仕事をなるべく頼まなくなっていく。その場合、もしかして別の仕事を頼んだ方がその人には合うかもしれない。
さてさて、そんな中、子供のいる共働きのお母さんの「いつまで続くの」という悲鳴もよく聞いた。旦那さんが在宅勤務していても、食事や子供の世話が奥さんに偏ってしまっている家庭が多い様子。
友達の漫画家ママが「もう、ごはん毎日何を作ったらいいのか浮かばない。私だけなら毎日たこ焼きでいい」と嘆くので「いっそ餃子、カレー、焼きそば、グラタン、お好み焼き、ハンバーグ、とかローテーションを決めてしまってはどうか」「週1とかで子供クッキングの日にして、その日は子供がメニューを考えて子供が作る日にするのは」などと言ってみた。
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source : 文藝春秋 2020年8月号