【ヒント】
バレリーナ史上最大規模の引退公演を行い、女優に転身した人物といえば?
「もう、学校をやめたら?」
父の一言で、大好きなバレエの道を究める覚悟を決めた。
「8歳でバレエを始めた頃から『踊りのプロ』を目指し、毎日訓練するつもりで稽古していました。学校は肌に合わず、遅刻も欠席も多くて。父も見かねていたんでしょうね」
高校を1カ月で中退、牧阿佐美バレヱ団に参加。以降、同バレエ団で数々の主役を務め、世界各地のバレエ団でゲスト出演を果たす。44歳でバレリーナを引退し、女優に転身。ドラマ、ライブ、舞台や公演のプロデュースなど、挑戦は留まるところを知らない。
「女優として一段上を目指すために、数年前から歌のレッスンを始めました。バレエは声を発しない表現。踊るときは腹筋を大きく動かさないよう肺式の呼吸で、筋肉の使い方も違う。歌から、腹式呼吸や息のコントロール、筋肉を緩めることを学びました。『踊る身体』から『歌う身体』をつくることで、芝居の仕方も変わってきたように思います」
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source : 文藝春秋 2020年11月号