昭和史研究の第一人者、半藤一利さんが亡くなった。半藤さんは1953年に文藝春秋に入社、『週刊文春』『文藝春秋』の編集長などを経て、作家となる。35歳で上梓した『日本のいちばん長い日』は、世に知られていなかった太平洋戦争終結をめぐる人々の駆け引きを当事者への取材から浮かび上がらせた。後年『昭和天皇実録』に昭和天皇が「映画『日本のいちばん長い日』を御覧になる」という一文を発見し、「まったく違うと仰せになった、とあったら、どうしようかと思った」と話していた。退職後も小社との関係は深く、毎月どこかの雑誌に登場。取材や対談は決まって午後3時以降で、本人曰く「終わった頃にちょうど店が開くように設定するのが大事なんだぞ(笑)」。ひと仕事終えると半藤さんを慕う社員が部署も世代も関係なく集まり、酒宴を共にした。
そんな半藤さんと文春の最後の仕事が、遺稿となった「あとがき」の収録された『歴史探偵 忘れ残りの記』(文春新書・2月20日発売)だ。文藝春秋の新刊のお知らせに綴られたコラムに書籍未収録作を追加。昭和史、自伝的エッセイなど半藤さんの洒脱な文章を堪能できる。また『文春ムック 半藤一利の昭和史』(2月17日発売)では宮部みゆきさんや阿川佐和子さん、池上彰さんらが、半藤さんから受け取ったものについて寄稿している。
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source : 文藝春秋 2021年3月号