生の凄みを思い知らされた
雑誌の表紙を模したようなカバーが印象深い『今も未来も変わらない』。語り手の星子は40代のシングルマザー、高校生の娘、拠と2人暮らしをしている。小説家である星子の日々はいたってのんきで、24歳の青年、称くんと映画を見たり、10年越しの友人、志保とスーパー銭湯にいったり、娘と志保とカラオケボックスにいったりしている。
もちろん星子の日々には悩みも苦労もあるのだけれど、小説は、歯を食いしばり髪を振り乱している生活ではなくて、のんきで気楽な星子の生活を、より抜いて描いている。たとえば、拠の副担任の教師が彼女の問題について母である星子に語るとき、職員室で深刻に向き合うのではなく、バーでダーツをしながら、さらりと重要なことを言うように。
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source : 文藝春秋 2021年3月号