「小室さんは素晴らしい男性です」真剣な訴えに宮内庁長官は……
「問題点は出尽くした感がある」
この9月で、秋篠宮家の長女眞子さま(29)のご婚約内定会見からまる4年。お相手の小室圭さん(29)に関するさまざまな批判から、ご結婚への動きは頓挫したかのように見える。だが、ある皇室関係者は、最近になって、ご結婚に向けた動きが出てきたとして、こう明かした。
「宮内庁が眞子さまと小室さんの結婚話に対して強く反対しているとか、このままうやむやにしようとしているということは決してありません。世間では、まだそう捉える向きが多いかもしれませんが、それは間違った認識です。
いや、むしろご結婚に関しては、今は前向きな姿勢に変り、具体的なスケジュールについても、またそれに伴う法的な問題点についても、幹部を中心に検討を始めているようなのです。小室さんがNY州の司法試験に合格すれば、おそらく年内か年明けには、ご結婚の話が前へ進むことは大いにあり得る情勢になっています。
宮内庁も、圭さんのお母さんの借金問題に端を発した反対論の動向には常に気を配ってきました。反対の世論が大きければ、動きづらかったのは事実です。しかし、問題が明らかになってからすでに3年がすぎ、問題点は出尽くした感がある。4月には、小室さんの側から借金問題を説明する文書も出ました。司法試験に合格すれば、新しい生活を始めることになります。こういった一連のことが宮内庁の方針の背景にあると思われます」
宮内庁内で具体的な検討が始まったのは、今年の春頃のことだという。ちょうど小室さんの代理人が説明文書を発表した頃にあたる。文書の発表を受け、西村泰彦宮内庁長官が、「非常に丁寧に説明されている印象だ」「小室さん側と元婚約者との間の話し合いの経緯についても理解できた」と会見で評価したことが話題になった時期でもある。
その頃には、小室さんは5月にフォーダム大学ロースクールを修了し、7月には司法試験を受けることはわかっており、その合格発表は、今秋とみられていた。そういったスケジュール観のなかで具体的な検討が始まったという。
「ご結婚話を進めるうえで懸念されるのは、やはり反対の世論です。その反対意見をかわすために検討しなければならない大事な問題はいくつかありました。例えば、一時金として支給される1億5000万円の問題。儀式をやるのか、やらないのかという問題もあります」(同前)
小室圭さん
一時金と儀式をどうするか
内親王のご結婚ともなれば、納采の儀に始まり、通常であれば、さまざまな儀式が執り行われることになる。皇室を離れる際には、約1億5000万円が支払われるのが決まりだ。規定通りに支払われれば、世論の反発が起きることは宮内庁も承知していた。
「眞子さまが受け取らないと決まったわけではありません。現時点のシミュレーションでは、受け取る場合、受け取らない場合、あるいは受け取ったとしても、それを慈善団体に寄付してもらったらどうだろうとか、さまざまな可能性を想定し、それぞれの場合に想定される法的な問題も含めて検討を重ねているようです。
それは儀式も同じで、すべてやるのか、それとも一部だけやるのか、形を変えて簡素化するのか、全部やめるのか、これもそれぞれの場合に応じて、頭の体操を始めているのです」(同前)
こうした検討が進む中で、NY州の司法試験の合格発表が12月にずれ込んだ。例年ならば秋のはずが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、12月半ばまでに発表するとNYの司法当局が発表したのだ。
この合格発表延期で浮上してきた懸念が小室さんの一時帰国だ。試験が行われたのは7月27、28日。そのあと発表まで4カ月余りの時間ができる。その間に帰国してしまうと、マスコミに追い掛け回され、借金問題がまた雑誌やテレビに取り上げられることになりかねない。そうなれば世論はまた反対論に大きく傾く恐れも出て来る。
「宮内庁の幹部たちは、圭さんにはしばらく帰って来ないでほしいと考えているようです。無事に合格すれば、世論の流れを変えられるかもしれないという期待もありますから、このままNYでおとなしくしていて欲しい。
なぜ幹部たちがこれほどご結婚を前に進めたいかというと、眞子さまの強いお気持ちとは別の理由もあるようです。それは、この長引いた問題にケリをつけることが、政府に皇位継承にかかわる女性皇族の問題にしっかり取り組んでもらうための前提であると考えているのです。眞子さまの状態が宙ぶらりんでは、眞子さまを抜きに議論するわけにもいかず、愛子さま、佳子さまを想定した議論に入りにくいという事情がありました」(同前)
結婚を望む眞子さま
官邸も「年内結婚」を想定
首相官邸では今年3月から、「安定的な皇位継承のあり方」を検討する有識者会議が開かれている。その対策として「戦後に皇籍離脱した旧皇族の子孫の男系男子を皇族の養子とする」「旧皇族の子孫を皇室に復帰させる」のほかに、「女性皇族が婚姻後も残る」という案も検討中だ。ご婚約内定中の眞子さまは、今のままでは対象者になってしまう。
官邸中枢も、眞子さまご結婚は織り込み済みのようだ。ある官邸幹部は周辺にこんなことを口にしていた。
「小室さんの合格が決まれば、納采の儀など一連の儀式は行わずに、お二人は結婚することになる。いわば“駆け落ち婚”みたいなものだな。年内にはかたをつけるよ」
納采の儀や告期の儀を執り行わずに結婚へと至る――そんな筋書きを、官邸サイドも現実的なものとして考えているのだ。そんなことがかつてあったのだろうか。
皇室ジャーナリストの山下晋司氏が解説する。
「皇族が婚約の儀式を行わずに結婚したことは、少なくとも現行制度になって以降は一度もありません。ただし、儀式が行われなくても法的には問題ありません。
結婚に関しては、眞子内親王殿下が、宮内庁で管理している一般の戸籍にあたる皇統譜の謄本を交付してもらい、それを婚姻届に添付して役所に提出する。それが受理されれば結婚は成立します。
一方、結婚に限らず、皇籍を離脱する場合は、2つの儀式が行われます。天照大御神を祀っている賢所など宮中三殿で拝礼する『賢所皇霊殿神殿に謁するの儀』と、天皇皇后両陛下に謝恩の辞を申し上げる『朝見の儀』です。
これらの儀式は皇籍離脱に伴うもので、お決めになるのは天皇陛下です。結婚に関する儀式とは意味合いが違いますので、恐らく行われるでしょう。ただ、これらの儀式が行われなくても、婚姻届が受理されれば皇籍離脱となります。入籍後は一般国民の“小室眞子”としてパスポートを取得され、米国でお暮しになっても問題ありません」
小室さんは、すでにNY州の法律事務所への就職の見通しが立っていると報じられており、眞子さまの移住先はNYになるのかもしれない。
NY州弁護士が語る。
「フォーダム大学の卒業生の合格率は90パーセントを超えるので、試験を受ける前から就職活動する学生が多くいます。ですから、この時期に法律事務所の内定を得ることは決して珍しいことではありません。ただ、事務所によっては司法試験に不合格になれば、就職の内定が取り消されることもあるでしょう。
小室さんの過去の論文のテーマなどを見ると、金融関係に興味があるようです。この分野の弁護士は非常に人気があり、NYには大手事務所が集中しています。1年目の平均年収は約1800万円と高額ですので、生活費や税金が高いとはいえ、それだけ収入があれば、お二人で暮らすのも困らないかもしれませんね。
ただ、最初はアソシエイト弁護士という立場で、上司であるパートナー弁護士の下で働くことになります。年に2000~3000時間は働き、パートナー弁護士の指示のもと、資料の調査や契約書の取りまとめなどの雑務もやることになる。高給である代わりに厳しい労働を求められるのも事実です」
西村宮内庁長官に迫った
官邸や宮内庁の方針には、皇位継承問題の議論を進めることが念頭にあるようだが、しばらく頓挫していたご結婚話がついに前へ動き出したのは、もちろん、眞子さまの強いご希望が大きかった。
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source : 文藝春秋 2021年10月号