眞子さん結婚、悠仁さま受験、マル秘メモを初公開!
秋篠宮家の知られていない側面
皇族がお出ましになる際には、どこからともなく大勢の皇室ファンがその姿を一目見ようと集まる。皇居の半蔵門や赤坂御用地の巽門はもちろん、ご公務先やお出かけ先である展覧会やコンサート会場にも記者に交じってファンの姿は必ずある。
皇族方は、今も世間から隔絶された世界でお過ごしだから、お出ましの機会は、その表情、ファッション、お振舞いをこの目で確かめることができる貴重なチャンスだ。私は愛子さまが学習院初等科に入学される2008年頃から、こうした機会を逃さないように努めてきた。
この数年、眞子さんの結婚騒動で秋篠宮家はかつてないほど揺れた。今回はこれまで書き貯めてきた取材メモを読み返しながら、ご一家のあまり世間には知られていない側面をお伝えしたいと思う。
2022年1月1日 高輪仙洞仮御所正門前
元日、仙洞仮御所の近くに到着したのはお昼前だった。高輪の一角にある旧高松宮邸(現仙洞仮御所)が上皇ご夫妻の現在のお住まいだ。周囲は高級住宅地で、和菓子の老舗が数軒並ぶ。
この日は最低気温マイナス1度。沿道に立って待つため背中にホッカイロを貼り、ポケットにも2つカイロを忍ばせ防寒対策したが、それでも寒かった。
午前10時半ころ、悠仁さまのお車が現れた。同じ時間に皇居では新年祝賀の儀が行われており、父、姉佳子さまはそちらに出席していた。お子様がたの挨拶は、大人たちとは別に行われるのが慣例だ。
悠仁さまお一人で、沿道に向かって会釈し、手を振られていた。平成時代、お誕生日の挨拶などで皇居に向かわれる際、半蔵門で見かける悠仁さまは恥ずかしそうに俯きがちだったので今回のご様子は珍しく、同時にご成長も感じた。
この日、目を引いたのは和服姿だったことだ。同日皇居でおこなわれた新年祝賀の儀で、天皇陛下や男性皇族は揃って燕尾服、皇后さまや女性皇族はロングドレスという礼装で統一されていた。それだけに、悠仁さまの和服姿が印象に残った。
この時、思い出したのは2019年8月、悠仁さま初の海外訪問となったブータンでのことだ。国王夫妻を表敬訪問する際、紀子さまは和装、悠仁さまは紋付き羽織袴姿。ところが秋篠宮さまはスーツにネクタイ姿だった。悠仁さまの羽織には、秋篠宮家の家紋(14弁の菊の周りに横向きの菊花と秋篠宮さまのお印である栂の枝葉があしらわれたもの)が5つ付いていたのを覚えている。
元侍従長の渡辺允氏は、2016年に学習院の同窓会(桜友会)で行われた講演「天皇皇后にお仕えして」でこんな話を披露している。
〈陛下(上皇のこと=編集部注)が和服をお召しになっているのはあまり知られていないと思います。仕事が終わって御所でリラックスされている時に、ときどき和服を着ておられる。リラックスされているはずなのですが、必ず袴をつけておられるのです。羽織を召しておられるときは、紋付きですから、御紋がついている。御紋は当然菊の御紋なのですね〉
紀子さまは、ご家族のファッションに気を配られることで知られる。もしかしたら悠仁さまが和服をお召しになることも、上皇ご夫妻が喜ばれると思い、紀子さまが気を利かされたのかもしれない、と思う。
羽織袴の悠仁さま
午後1時半前、秋篠宮さまと佳子さまが現れた。冷たい風が吹きすさぶなか、秋篠宮さまと佳子さまは車の両サイドの窓を全開にして手を振られていた。紀子さまは、父川嶋辰彦氏の喪中のため、お出ましにならなかった。
お二人とも皇居から来られたので、佳子さまは上着もお召しにならず、ノースリーブに近い短い袖、胸元と背中が開いたローブデコルテ姿だった。それでも車中で風を受ける佳子さまは、寒さなど気にする様子もなく、満面の笑みを浮かべ、手を振られていた。皇族としての強いご自覚はこういう場面で出るのだろう。そんなことを思いながら拝見した。
午後3時半前、両陛下と愛子さまが1台の車に乗られ、沿道に集まった多くの人に笑顔で手を振り、会釈しながら仙洞仮御所へと入っていかれた。皇后さまは指をそろえて小刻みに手を振るが、陛下と愛子さまは指を広げて、大きく手を振られる。
皇后さまと愛子さまは、午前中におこなわれた新年祝賀の儀のときとは違い、お揃いのようなアイボリーのドレスをお召しだった。愛子さまのお帽子にはピンクのフラワーモチーフがあしらわれ、若々しさと初々しさが際立つ。沿道からは「愛子さま~」、「ああ、かわいらしい」というため息交じりの声が聞かれた。
2021年10月26日 グランドアーク半蔵門
正月とは、正反対の佳子さまのお姿に接したこともある。姉小室眞子さんの結婚当日、昨年の10月26日のことだ。
午前10時ころ、眞子さんは赤坂御用地内にある秋篠宮家のお住まいの玄関でご家族とのお別れをすませた。この時、紀子さまはお手製のブーケを眞子さんに持たせ、涙をこらえながら見送られていた。全身全霊をかけて育てた娘が祝福ムードとは程遠い結婚をする。母親としてどんな気持ちでいらっしゃるのかと思うと、胸が締め付けられた。
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source : 文藝春秋 2022年3月号