宮沢さん
Ⓒ中川正子
著者は、「THE BOOM」(2014年に解散)のボーカリストの宮沢和史さん。もともと沖縄民謡に魅かれていた宮沢さんだが、ある時「ひめゆり平和祈念資料館」で沖縄戦の記憶に触れ、強い衝撃を受ける。この経験をもとに作られたのが、1992年発表の『島唄』だ。150万枚の大ヒットとなり、いまも歌い継がれている。
「島唄を30年も歌い、沖縄にも通い続けてきました。島唄は現在進行形で歌っているので、なかなか過去のものにならない。自分や沖縄にとってどのような意味があったのか、総括する機会を得られずにきました。しかも今年は、本土復帰50周年の大事な年でもある。現在は過去から未来へつながる水脈の中に位置します。沖縄を生きて、沖縄を形作ってきた人たちの人生を見つめ直し、未来を考えるきっかけにしたいと思いました」
本書は宮沢さんのエッセイ、10人との対話で構成されている。
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source : 文藝春秋 2022年7月号