瀬戸内をゆく旅

秋山 千佳 ジャーナリスト
ライフ
現代アートの聖地として世界に名を馳せる直島。今年は瀬戸内国際芸術祭が開かれ、新たなスポットも誕生している。海とともに息づく作品は五感を満たしてくれる存在だ。(写真=橋本篤)
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杉本博司による〈硝子の茶室「聞鳥庵」〉。作品越しに瀬戸内海を望む

現代アートが示唆する“正解はない”という面白さ

 直島を現代アートの聖地にした立役者である「ベネッセアートサイト直島」。最初の美術館兼ホテル創業から30周年を迎える今年、2つのギャラリーをオープンさせた。

 そのひとつ「杉本博司ギャラリー 時の回廊」は、写真や彫刻など杉本の多彩な作品が一堂に会する。〈硝子の茶室「聞鳥庵(もんどりあん)」〉は2014年にヴェネツィア・ビエンナーレで発表されて以来、世界で展示されてきたが、このたび直島に根を下ろすことになった。

 いずれの作品も詳細な説明は掲示されていない。ただでさえ、現代アートは作家の意図を汲み取りづらく難解だと思う人が多いだろう。しかし、単に知識を吸収するより“対話”が大事とベネッセアートサイト直島のステンランド由加里さんは語る。

「作品の感じ方は人それぞれです。作品と対峙することで自分の考えに気づき、それを周囲の人と語り合えば、一人ひとりが異なった捉え方をすることに気づきます。来館のたびに感じ方も変わります。決まった正解がないことが現代アートの面白さなのです」

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source : 文藝春秋 2022年9月号

genre : ライフ