複雑化する北朝鮮情勢と党内政局の中で「悲願」に向かうが……
4個の金メダルをはじめ、史上最多13個のメダルを獲得するなど日本勢が大活躍を見せた平昌冬季五輪。その最終盤の2月23日夕方、首相の安倍晋三は、地球の裏側から来日した女性を相手に、今にも穴が開きかねない北朝鮮包囲網を維持、強化しようと躍起になっていた。
「北朝鮮の核武装を阻止するため、無条件で対話に応じてくるよう圧力を最大化しなければならない」
南米チリ初の女性大統領ミシェル・バチェレとの会談でこう働き掛け、同意を得たのだった。
五輪など国を背負う国際舞台での自国選手の躍進は、国民の熱狂を呼び起こし、一時的に時の政権与党に対する不平不満を和らげる効果がある、と政治の世界では信じられている。安倍にとってフィギュアスケートの羽生結弦やスピードスケートの小平奈緒らの目を見張るような活躍は、自らの手で引き寄せた2020年東京五輪にとっても強い追い風になる慶事だった。
しかし、核・ミサイル開発を続けながら平昌五輪を舞台に「微笑み外交」を仕掛ける北朝鮮に押されっぱなしの韓国大統領・文在寅に向ける安倍の視線は厳しかった。
「これは我々の内政問題だ」
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source : 文藝春秋 2018年04月号