巨人軍は「清武の乱」からダメになった

鷲田 康 ジャーナリスト
エンタメ スポーツ

「常勝」という幻想のもと育成も補強もちぐはぐに

清武英利氏 ©文藝春秋

 10月1日、巨人は東京ドームで行われた阪神戦に敗れて11年ぶりのBクラス転落、4位が決まった。

「現実として受け止めなければならないことがたくさんある。ここにある現実をしっかりと受け止めて前に進んでいきたい」

 就任から2年連続で優勝を逃がし、2007年の導入から10年連続で進出してきたクライマックスシリーズへの出場も途切れて高橋由伸監督(42)の言葉はさすがに重かった。

 昨オフには総額30億円とも言われる大補強を行い、ペナント奪回にかけたシーズンだった。しかし、開幕5連勝と絶好のスタートを切ったが、5月25日から6月8日にかけて球団史上ワーストとなる13連敗を喫した。6月13日には編成の責任者だったGMの堤辰佳が実質的に解任され(発表は辞任)、球団OBで元投手の鹿取義隆が同職に就任する人事が発表された。また前半戦終了後には一軍投手コーチの尾花高夫をブルペン担当に、ブルペン担当コーチだった田畑一也を戦略室スコアラーに配転して、二軍監督の斎藤雅樹を一軍投手コーチに昇格させるスタッフの入れ替えも行なわれた。

 しかし今季の戦いを振り返ると、こうしたテコ入れではとてもとり戻せない、チームの「現実」が浮き彫りとなってくる。

 エースの菅野智之にマイルズ・マイコラス、田口麗斗の三本柱を軸に、後半戦はルーキーの畠世周が6勝と先発投手陣は機能した。ただ、課題だった打線は相変わらず振るわず、チーム打率2割4分9厘はリーグ3位。チーム536得点は首位・広島の736得点に200点も引き離された同4位だった。

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source : 文藝春秋 2017年12月号

genre : エンタメ スポーツ