平幹二朗、伊藤桂一、りりィ、荒戸源次郎、藤原てい

蓋棺録

エンタメ 芸能

 俳優・平幹二朗(ひらみきじろう)は、自らが演じる役と格闘をつづけ、日本を代表する役者となった。

 1978(昭和53)年、それまでも女形は演じたことがあったが、蜷川幸雄演出の『王女メディア』の主役は、平幹二朗という俳優がまたひとつ脱皮した瞬間だった。

「男の自分が女形の役者をいじめぬくサディスティックな快感と、メディアに扮した僕が自分自身にいじめぬかれるマゾヒスティックな快感の両方を味わっています」

 33年、広島生まれ。父は幼いときに亡くなり、母親に育てられる。高校時代には映画に熱中して、当時は映画監督になろうと考えていた。

 大学進学はやめて俳優座養成所の試験を受けるが、2次試験で落とされる。広島弁がきつすぎるといわれた。アルバイトで1年しのいで、翌年再び受けて今度は合格した。

「4期に入らないで、5期になったのは幸運だったんです。4期は仲代達矢、佐藤慶、中谷一郎、宇津井健と、錚々たるメンバーでした」

 養成所では一流の文学者や音楽家に基礎を学び、千田是也が自ら演技を指導してくれた。俳優座の『ハムレット』ではホレーショ役で出演。このときハムレットは仲代だった。劇団四季が『ハムレット』を上演するさいには、ハムレットに抜擢され注目される。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2017年01月号

genre : エンタメ 芸能