『増税は国際公約』は財務官僚の作文だ。消費に冷や水を掛ければ、デフレに逆戻りする
本田 安倍政権の発足から二年が経とうとしています。消費税を八%から一〇%に再増税するか否か、という議論と同時に、アベノミクスが減速しているのではないかと指摘する声も増えてきました。
浜田先生と私は内閣官房参与という立場にあり、浜田先生がアメリカから帰国されると、浜田先生とともに安倍総理に政策のお話をする機会をいただいていますが、今回は改めて、アベノミクス、そして日本経済はこれからどこに向かうのか、これまでの取り組みを振り返りながら、十二月中旬までに総理が決断される消費税再増税の是非について話を進めたいと思います。
浜田 アベノミクスは相変わらず、海外で注目を浴びていますよ。先日もニューヨークで中東系の経済学者が主催するディスカッションに参加する機会がありましたが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をめぐる塩崎恭久厚生労働相の発言など、彼らの方が詳しくて、僕が教えてもらったくらいです。
本田 海外の機関投資家たちも、アベノミクスについて高い関心を持っていますね。
浜田 日本だけでなく外国にも「果たして金融で景気が高揚するのか」と疑問に思う人が多くいました。だからこそアベノミクスというユニークな試みが世界から注目されるようになったのです。
実際には「第一の矢」である大胆な金融緩和、そして「第二の矢」の機動的な財政政策は、ともに予想以上にうまくいきました。失業率や、日本経済全体の需要と供給力の差を示すGDP(国内総生産)ギャップなどの指標も全国的に改善していますし、賃金も少しずつ上がるようになった。アベノミクスが日本経済に効いているのは間違いありません。
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source : 文藝春秋 2014年12月号