米艦への攻撃、北朝鮮からのミサイル。現実の戦場で遭遇するのは「想定外」の事態ばかり。
机上の空論に縛られていいのか
集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈の見直しが、閣議決定される見込みとなりました。
しかし、集団的自衛権の問題は複雑な上に、法律論議に偏重しすぎたため現実を踏まえていない報道も多く、ゆえに国民もその是非を判断しにくいのではないでしょうか。
私は二〇〇八年、自衛艦隊司令官を最後に海上自衛隊から退官するまで、長年に亘り自衛隊の現場で過ごしてきました。その経験から、この問題について感じるところをお伝えします。
まず前提として、私は日米同盟を国家戦略の基本としていく以上は、集団的自衛権の行使は容認すべきだと考えています。
憲法第九条を抱えている日本の事情は複雑です。その様な環境の中で、個別的自衛権は行使できても、「集団的自衛権は憲法の容認する自衛権の限界を超える」と定義した、現在まで続く解釈がよくできていることは私も同感です。しかし、自衛隊の前身である警察予備隊が発足した当時とは、その規模も安全保障環境も大きく変わりました。
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source : 文藝春秋 2014年08月号