改革思考を持った勤勉な人たち/『代表的日本人』内村鑑三(鈴木範久訳)

ベストセラーで読む日本の近現代史 第78回

佐藤 優 作家・元外務省主任分析官
ニュース 読書

 現下の日本が危機的状況にあるという認識は広く共有されている。グローバル化に対応した「開国」が必要であると主張する論者も少なくない。政治家や官僚が小物になっているという嘆きもよく聞く。しかし、嘆いたり、愚痴ったりしているだけでは何の効果もない。こういうときは、歴史に学ぶことが重要だ。

 内村鑑三(1861〜1930)が、1908(明治41)年に英語で上梓した『代表的日本人』(Representative Men of Japan)は、日露戦争に勝利した後の日本が、帝国主義クラブの後発メンバーとして熾烈な国際競争の中で生き残っていくという問題意識で書き直されたユニークな偉人列伝である。

 ここで内村は5人をとりあげ、その特徴をキャッチコピーで示す。

 西郷隆盛――新日本の創設者

 上杉鷹山――封建領主

 二宮尊徳――農民聖者

 中江藤樹――村の先生

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2020年3月号

genre : ニュース 読書