創価学会「政教分離」のリアル

政と官の劣化をとめる

小川 寛大 宗教専門誌『宗教問題』編集長
ニュース 政治
 

「だって、みんなが10万円もらえたのは公明党のおかげですよ」

 新型コロナウイルス感染症に関わる経済対策の一環として、2020年に当時の安倍晋三政権が行った全国民への10万円給付、いわゆる特別定額給付金。その金が国民に届き始めた頃、取材で会う創価学会員の多くは、そう得意げに言っていた。

 確かに当初、自民党はこの給付金について新型コロナの影響で収入が大幅に下がった世帯などのみを対象とした、30万円給付の方向性を考えていた。そこを「全国民に給付すべきだ」と強硬に主張したのが公明党で、最終的に自民党は折れた。

 同じような話で、最近の創価学会が自慢げに語るのが、2019年に消費税が10%に増税された際、食料品などに限って8%に税率が据え置かれた「軽減税率」についてだ。これも公明党のプッシュで導入された制度で、学会員たちは「庶民の暮らしを守った」などと胸を張る。また東京都においては、小池百合子都知事に都議会公明党が働きかけ、公立小中学校へのエアコン設置を推進した、などとも誇らしげに語られる。

 これらの創価学会・公明党の“手柄話”は、彼らが尽力して実現したものであることに間違いはなく、決してウソではない。ただし、こうした“手柄話”のほとんどは、政治を通じたカネがらみのことばかりになっている。例えば、彼らの口から日蓮仏法がどうこうといった話を聞く機会は、近年ほとんどない。

 また、創価学会員たちの日常的な集まりに「座談会」というものがある。最近、この座談会は公明党の選挙応援に関する話ばかりが交わされる場となっており、仏法を学ぶ場としては機能しなくなっているという意見が、あちこちから聞かれる。

「今の創価学会ではもう、日蓮大聖人の教えをどれくらい学んでいるかなどといった話は、あまり評価の対象にならない。それよりも聖教新聞をどれだけ拡販したか、選挙の際に公明党の票をどれだけ積み増せたかといったことが求められ、日常の活動もそれが主軸になってしまっている」(関東在住の男性会員)

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source : 文藝春秋 2023年2月号

genre : ニュース 政治