月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。折り返し地点の政権は、来夏の参院選まで頭を低くしてやり過ごす
自民党総裁選と内閣改造。いつの時代も、この二つが終われば権力者はほっとひと息つき、これからの権力維持に思考を巡らせる。
二度目の政権担当から3年、新たな任期は3年と折り返し点に達した首相・安倍晋三も例外ではない。10月のある1日をみても、それははっきりする。
10月19日。安倍は就任以来、月一回を恒例としている東日本大震災・原発事故の視察を終えると夕刻に首相官邸へ戻り、公明党代表・山口那津男と会談。自民党税調会長を元自治相・野田毅から前経済産業相・宮沢洋一に交代させたことを取り上げて、「公明党の仰る消費税の軽減税率の具体化に取り組むことへの方向付けをしました」と山口に伝えた。
野田と財務省主税局は、2017年4月に予定する消費税10%への引き上げに伴う負担軽減策として還付金案をとり、公明党の主張する軽減税率に慎重だった。野田を更迭し、自らの内閣で使った宮沢を税調の責任者としたことで「公明党とは共同歩調をとる」確認をしたのだ。
続いて安倍は歩いて首相公邸へ向かうと、今度は内閣改造で退任した閣僚たちを「大変よくやっていただいた。ご苦労様でした」とねぎらう。そして六本木のアークヒルズ仙石山森タワー内にあるステーキ店「そらしお」に新党改革代表・荒井広幸、次世代の党国会対策委員長・中野正志、日本を元気にする会国対委員長・井上義行を招いた。
集団的自衛権の行使を柱とする安全保障法に3党が賛成したことをとらえて「3党の役割はものすごく大きかった。私としても最大の案件だったからね」と振り返った。荒井たちは口々に「今後も3党の枠組みで協力していきたい」と誓った。
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source : 文藝春秋 2015年12月号