日本の外交官たちは、このところしきりに「スーザン・ライス問題」を口にする。
オバマ米大統領の安全保障問題担当大統領補佐官(NSA)のスーザン・ライス博士のことだが、一体、彼女のどこが「問題」だというのか。
「彼女はいま、オバマ政権8年間のレガシーのことで頭がいっぱいだ。この政権が外交面でいかに大きな業績を挙げたか、歴史に残そうと躍起になっている。米国の長期的戦略や、その中で同盟の果たす役割などはほとんど関心がない、困ったものです」
日本政府高官はそう言ってため息をつく。
南シナ海での中国の岩礁埋め立てや基地化、そしてそれらの事実上の軍事化、さらには「法の支配」の無視に対して、オバマ政権は腰が引けていると日本だけでなく東南アジアの国々も感じている。
中国からアメリカに対して、フィリピンのスカーボロー礁の埋め立てと南シナ海へのADIZ(防空識別圏)を一方的に宣言するのを――
少なくともオバマ政権の間は――
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source : 文藝春秋 2016年10月号