
寂しいとか感じる時、花はより美しく見えると思う。黄色い朝顔は珍しいらしい。ぼくはそれを壁画研究助手として訪れた中国で見た。たぶん。連続移動の道中の朝、宿泊ホテル出発時に発見。しかし花に心が引き寄せられずに、取材チャンスを逃した。戦時下を過ごした先人日本画家達は「寂」の精神が必然的に宿っていたから、花を描いても鎮魂の想いが芸術性を高めた。戦後生まれのぼくはそれが弱い。でもね、黄色い朝顔のイメージから元気を描いた。
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source : 文藝春秋 2023年7月号