手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!
★サミットは政局予想の材料か
G7の首脳が初めてそろって原爆資料館を訪れ平和記念公園で献花をしたかと思えば、ウクライナのゼレンスキー大統領が急遽来日してセッションに加わった。歴史を画する「驚き」が続いた広島サミットである。ただし日本の政治報道は相変わらず「平和ボケ」のままでいる。
何より驚愕したのは、サミットの閉幕を受けて岸田文雄首相が行った記者会見の速報だ。5月21日午後3時過ぎから一斉に流れたそれは、国内の政局話に特化されていた。
しかも、わざわざ速報する意味がわからない中身だ。「解散・総選挙『今は考えていない』と首相」(共同通信)、「岸田首相、解散・総選挙『今、考えていない』 広島で記者会見」(毎日)など。産経に至っては、「G7議長国会見 首相、衆院解散を『今、考えていない』」とする。サミット議長国の締めくくり会見でなぜ、答えようもない解散話を尋ね、さも重大ニュースのように速報するのか、不思議でならない。
確かに、翌22日朝刊の各紙の社説は「国際秩序とG7 平和創出にこそ指導力を」(毎日)などと格調が高い。だがそれならそれで、首相本人に質せる会見の中でなぜ、もう少し実のある追及ができなかったか。
毎日の別の記事によると、こんな一幕までもあったそうな。会見を終えようとした首相に対し、会場にいた男性記者が「総理、逃げるんですか」と核廃絶問題について追加の質疑を求め、首相は演台に戻って約3分間、質問に答えたという。
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source : 文藝春秋 2023年7月号