ベルリンでなら「アーティスト」でいられる
小さな“個”が積み上げられ、やがて果てしない“集”になる。その緻密さが生む緊張感で見るものを圧倒する塩田千春(51)の素顔は、作品とは対照的にチャーミング。「『作品暗く、性格明るく』ってね」。
鍵(かぎ)や靴、手紙に鞄——「いないけれど、その人の『存在』はあった」ことを感じさせるものを集め、作品にし続ける。ヴェネチア・ビエンナーレ(2015)では、日本館代表作家に選出された。
1990年代の終わりにベルリンへ移住。市内にはまだ工事現場が多く、そこここに壁崩壊の痕跡が見えた。世界中からアーティストが集まり、空き家に住み着き、至るところにアートが生まれた。「日本では『自由業』は得体が知れないと思われるようで、アーティストというと、『何で食べてるんですか?』と聞かれちゃう(笑)。でもクリエイティブって、欠けた何かを満たしてくれるものですよね。人間は欠落だらけで、だからこそ私はアートを『生きる術』にしていられるのだと思います」。
(特集記事も併せてお読みください)
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2023年9月号