手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!
★調査でやっと気付く世の怒り
岸田文雄首相の内閣改造・自民党人事が悪評紛々である。
しかし、分かり切った話だろう。
新聞があれほど「処遇が焦点」と煽るだけ煽った人事も結局は、茂木敏充幹事長と河野太郎デジタル相は続投。スキャンダル塗れの木原誠二官房副長官は幹事長代理に横滑り。麻生太郎副総裁や松野博一官房長官らも留任だ。これのどこが人心一新なのか、謎だ。
ただし、一番の謎は、改造の翌9月14日朝刊の筆の鈍さである。
社説も物分かりが良過ぎる。日経は、女性閣僚5人と初入閣11人の起用、外相と防衛相の同時交代を挙げて「刷新感を出した」と肯定的に評価してみせる。読売も「刷新感を出すとともに、来年の自民党総裁選を見据え、ライバルの配置や各派閥の意向に配慮した人事と言えるのではないか。そうした苦心の跡がうかがえる」とまで慮る。
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source : 文藝春秋 2023年11月号