著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、タブレット純さん(歌手・芸人)です。
うちの父が、NHKに出演しました。
スタッフさんに「純さんは小さい頃はどんなお子さんでしたか?」と聞かれた父いわく、「ちょっと記憶にないです」。
いきなり全員ズコッ。記憶にございません、ときたか。ぼくの中で「親子間ロッキード事件」と名付けられた一幕です。
きっと存在感のない末っ子だったゆえの本音ポロリだったのでしょう。しかし父もまた、昔から“おぼろな人”でした。
キャッチボールひとつしたこともなく、通信簿すら見せたことがないほど、その“出来具合”にも無関心。日曜日となればモモヒキ姿でごろごろと昼寝して、おならだけで存在感を示していました。
夜には、焼酎のお湯割りを割り箸でかき混ぜている姿。その度にコップの中でカスたちが悲しいダンスをしていたっけ。酒のアテは、パックの刺身と、ナイター中継。巨人が優勢になるとチャンネルを変える、典型的なアンチ派です。
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source : 文藝春秋 2023年12月号