増えた楽天の不安材料、ベネッセMBOの背景、三井住友FGの“親分”、厚労省を悩ます不祥事

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★増えた楽天の不安材料

 楽天グループ(三木谷浩史会長兼社長)の先行きに暗雲が立ち込めている。携帯電話事業参入に伴う基地局整備に累計1兆円超を投じたが、多くを賄ってきた社債の償還が2024年から本格的に始まるからだ。24年は約3200億円、25年は約4700億円。向こう5年のスパンでは1兆2000億円超に達する。

 株式市場の関心は、償還の原資が確保できるのかという点にある。実際、米格付け会社・S&Pグローバルは楽天Gの長期発行体格付けを投機的水準とされるダブルBに引き下げた。

 楽天Gは11月9日、傘下の楽天証券(楠雄治社長)の株の一部をみずほ証券(浜本吉郎社長)に約870億円で売却すると発表。22年、楽天証券株の約2割をみずほ証券に売っており、追加売却となった。

「以前は楽天証券を上場させる予定だったが、背に腹は代えられなくなったのだろう」(証券業界幹部)

 さらに市場が不安視する材料も増えた。楽天モバイルが、繋がりやすい周波数帯の「プラチナバンド」を獲得したことがそれだ。これまで「楽天モバイルの携帯は繋がりにくい」と指摘されてきた。プラチナバンドはこれを補うものであり、楽天Gにとって一見、追い風に見えるが――。

「プラチナバンド用の基地局建設には、最低でも500億円がかかる。それを今の楽天が負担できるのかどうか」(同業他社幹部)

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source : 文藝春秋 2024年1月号

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