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★万博に塩対応のドン
2025年の「大阪・関西万博」の評判が頗(すこぶ)る悪い。理由の一つは会場建設費の膨張だ。運営主体の公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(万博協会、十倉雅和会長)は当初、05年の愛・地球博の費用を元に、大阪・関西万博の会場建設費を1250億円と見積もった。だが、直近ではこれが2350億円に跳ね上がったのだ。
さらに23年7月、万博の顔とも言える海外パビリオンの建設遅延が表面化。岸田文雄首相は「万博の準備は極めて厳しい状況に置かれている」と語った。
万博協会の十倉会長は経団連会長でもあり、経団連加盟社は万博を支援している。だが、経団連幹部は「首相がここまで危機感を露わにせざるを得なくなったのは、関西財界にも大きな原因がある」と断じる。一体、どういうことか。
「大阪に本社を置く企業は『万博を成功させよう』と言っているが口先だけ。金も出し、しっかり協力しているのはパナソニック(楠見雄規社長)や三井住友銀行(福留朗裕頭取)など限られた企業のみ」(同前)
特に“塩対応”が問題視されているのが阪急阪神ホールディングス(HD、角和夫会長)だ。一例が万博を盛り上げるため、開設されたオフィシャルストア。大阪ではあべのハルカス近鉄本店と大丸梅田店などに置かれたが、阪急百貨店と阪神百貨店にはない。「角会長は関西経済連合会副会長で、万博特別委員会の委員も務める。それがオフィシャルストアの一つも出さないとは……」と、関経連幹部も首を傾げる。
角氏は阪急阪神HDのドンに君臨する人物だが、
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source : 文藝春秋 2024年2月号