12月10日はノーベル賞の授賞式。日本人受賞者は、今年残念ながらいなかったが、過去28人の受賞者(米国籍取得者も含める)を数えている。これまでの受賞者の貴重な独占インタビュー、関係者が明かす受賞者の秘話を紹介したい。
川端康成 ノーベル賞授賞式での雄姿
岸惠子
日本人としてはじめてノーベル文学賞を受賞した川端康成。映画版『雪国』でヒロインの駒子を演じた岸惠子さんは、受賞式の壇上における川端の「何気ない様子」に感じ入ったことを回想します。
ノーベル賞をとるためには
本庶佑(京都大学特別教授)
がん免疫療法の研究を続け、ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑さん。日本における科学研究の衰退に懸念を覚える本庶さんは、日本人がノーベル賞に値する実績を積むためには、特に「研究費の配分システム」が大きな問題であることを語ります。
東大に行かなくてよかった
大村智(北里大学特別栄誉教授)
抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる微生物を発見したことが評価され、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智さん。定時制高校の教員から研究者になった異色の経歴を持つ大村さんは、「東大の連中には負けたくない」という思いが自身の原動力のひとつであったことを語ります。
亡き戸塚先生と飲んだ日々
梶田隆章(東京大学宇宙線研究所所長)
「ニュートリノ振動の発見」でノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さん。その道のりを振り返るインタビューでは、“兄貴分”であり、がんで早世した物理学者の戸塚洋二さんの影響を振り返り、「同時受賞をしたかった」と語気を強めました。
京都から世界にET革命を
吉野彰(旭化成名誉フェロー)
IT革命の土台を支える、リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏。受賞に際してのメッセージでは、自身の研究成果は福井謙一、白川英樹というふたりのノーベル賞受賞者の貢献が大きかったことを述べました。
ノーベル賞は「論争」から
眞鍋淑郎(ノーベル物理学賞受賞者)
2021年、90歳でノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎さん。気候モデルや地球温暖化の研究に長年取り組んできた眞鍋さんは、「意見の違いや反対から学ぶ」ことを自分のモットーとしてきたと、受賞を機に振り返りました。
source : 文藝春秋 電子版オリジナル