いわゆる「徴用工問題」が日韓で最大の火種になっている。
日本政府は7月4日からフッ化ポリイミドなど3種類の半導体材料の韓国への輸出規制を発動。昨年10月以降、韓国では大法院(最高裁)が新日鉄住金(現・日本製鉄)など日本企業に対し、戦時中の元労働者(徴用工)らへの損害賠償を命じる判決を立て続けに下してきた。今回の輸出規制は、対応を求める日本政府に対し、何も手を打たなかった韓国政府への報復措置であるという見方が一般的だ。安倍首相も「信頼関係が崩れた」ことを輸出規制の理由として挙げている。
徴用工問題については、当初から「解決済み」と主張する日本と韓国の議論は一切噛み合ってこなかった。振り返れば、日韓はこれまでも歴史教科書、竹島、慰安婦……と歴史問題が浮上する度に対立してきた。
歴史認識をめぐり、日韓はなぜすれ違ってしまうのか。朝鮮半島研究を専門とする神戸大学教授の木村幹氏と、韓国出身のジャーナリスト・崔碩栄氏がその背景を語り合った。
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source : 文藝春秋 2019年9月号