「書店ゼロ」の自治体は27.7%。この危機をどう乗り越えるか
齋藤 我々が本と出会う機会は3通りあります。図書館、ネット書店、そして街の本屋さん。それぞれの持ち味があり、三つが共存しているのがベストな環境だと私は考えているのですが、その中で、街の書店が危機的状況を迎えています。
書店の魅力は、何といってもその一覧性にあります。多種多様な本がずらりと並び、予期せぬ一冊との出会いが視野を広げ、その人の人生を変えることさえある。たまたま八重洲ブックセンターで見つけた『評伝原敬』(山本四郎著)が、私にとってはそんな1冊で、原敬が目指すべき政治家となりました。ネット書店は便利ですが、そういった醍醐味はないかもしれない。また、図書館にも一覧性はありますが、所蔵本は公共のものですから、線を引きながら読めない。図書館やネット、リアル書店は、お互いに補完する存在だと思うんです。
今村 わかります。僕は宮城谷昌光さんの小説を読むときは、鉛筆で丸をつけるんですよ。見たことない漢字に(笑)。
三宅 私も気になったページの端っこを折るので、右上だけどんどん厚くなっていきます。
齋藤 ハハハ、同じです。お風呂でも読むから、紙が湿気を吸ってどんどん分厚くなる。それもまた愛着が湧くんですけどね(笑)。
今村 司馬遼太郎さんの『風の武士』を読み終えた瞬間を今でも覚えています。ラスト4ページを残して電車を降りて、改札前でベンチを探したら、全部うまってる。待ちきれずにその場でしゃがみこんで読み終えましたよ。高1のときでした。
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source : 文藝春秋 2024年10月号