
NHKで再放送中のスペシャルドラマ「坂の上の雲」が、3月9日の放送で最終回を迎えます。今回は「文藝春秋PLUS」の中で、司馬遼太郎による原作『坂の上の雲』の魅力に迫った記事を紹介します。

太田啓之「『おう、また当たった!』敵艦に弾が命中すると大喜び 『坂の上の雲』真の主役・東郷平八郎の“神格化”と実像」
『坂の上の雲』を幼少期から愛読しており、特に日本海海戦をめぐる描写に強い愛着を示す太田啓之氏。しかし、作中における東郷平八郎の描写と実際の人物像との違いを起点に、エンターテインメントと実際の歴史の「違い」には留意すべきだと語ります。
小泉悠×太田啓之「『坂の上の雲』のミリタリー談義」
「好きなキャラクターは誰?」から始まった、小泉悠氏と太田啓之氏の『坂の上の雲』対談。「東郷ターン」の妥当性など作戦の細部に言及される一方で、軍艦三笠と『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場する海賊戦艦アルカディア号の共通点など、アニメにも造詣の深いお二人ならではの視点も。
広野真嗣「司馬遼󠄁太郎『ロシアについて』の慧眼」
ウクライナ戦争について考える中で、司馬遼太郎の作品に出合ったノンフィクション作家の広野真嗣氏。『坂の上の雲』や『菜の花の沖』を通して日露の関係史を描いてきた司馬のたどり着いた考察は、『ロシアについて』という本の中に凝縮されていると語ります。
片山杜秀×佐藤優「乃木希典と東郷平八郎」〈司馬遼太郎「坂の上の雲」大講義〉
『坂の上の雲』をめぐる、片山杜秀氏と佐藤優氏の連続対談。その第2回では日露戦争の英雄とされる乃木希典、東郷平八郎の二人が、どのように伝説的な存在としての認知度を得ていったかが、夏目漱石の『こころ』などを通して考察されます。
source : 文藝春秋 電子版オリジナル