軽井沢の木漏れ日のなかで歴史対話のはずが……風雲急を告げ、予想外の政局放談「自民党よ、驕るなかれ」ができたわけ

vol.67

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 取材に運と偶然はつきもの――。

 これは事件取材でよく言われることですが、時事問題をあつかう対談や座談会でも、しかりと痛感した8月でした。

 10月号の御厨貴さんと東浩紀さんの巻頭対談「自民党よ、驕るなかれ」は、8月15日の終戦記念日に、軽井沢プリンスホテルのコテージでおこなわれました。ふだんとは勝手のちがう、夏の保養地でのウェビナー収録とあって、小誌編集部にとってはちょっとしたチャレンジという感覚がありました(2人の背後の窓から緑がのぞいています)。

©文藝春秋

 当初、この企画の目論見は、「終戦記念日だし、大物政治家たちの密談の場でもあった軽井沢でやるのだから、戦争や歴史をテーマにしよう」でした。

 ところが前日14日に、岸田首相が突然、総裁選不出馬を表明。対談テーマは急転直下、「次の首相はだれか」という政局放談へ変更になったのです。

 対談収録は無事におこなわれました。しかし、そのころには巨大台風が関東に接近中。新幹線が止まるかもというニュースが流れるなか、東さんと担当者たちは東京にとんぼ帰り。もし翌日の開催だったら対談そのものが流れてしまったでしょう。まさに8月15日にしか実現しなかった対談だったわけです。

 軽井沢プリンスホテルは、かつて権勢を誇った田中派や安倍派が恒例の夏の研修会を開いた場所でもあります。ある意味、“由緒ある場所”でおこなわれた政治史の碩学と気鋭の哲学者の対話は、総裁選を読み解くうえで必読の内容です。

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