独自の経営哲学で知られる実業家の藤田田(でん、1926〜2004)は、昭和46(1971)年に日本マクドナルドを創業。
“最後の愛弟子”と呼ばれるのが、昭和61年に入社した友成勇樹氏だ。藤田によって同期276人のトップを切って店長に抜擢。米国本社で講師も任された。現在はC-United社長を務める。経営者としての心得を叩き込まれた友成氏が、師の教えを語る。
藤田さんは、マクドナルドというアメリカの文化を、そのまま輸入したのではありません。McDonald’sの発音はマクダーナルズですが、3音+3音で発音しやすいという理由から、マクドナルドという表記にこだわりました。
本国の店は郊外が中心ですが、日本の1号店を銀座三越に出したのも、マーケットを見据えての先見の明でした。
1990年代後半、ハンバーガーの平日半額セールを実施した際に、広告代理店が「50%OFF」と書かれたポスターを持ってきたら、「あかん。でっかく『半額』って書け」と指示したそうです。「文化の差が儲けを産む」という持論の通り、日本の市場に浸透しやすいようにアメリカ文化をアレンジする才能に長けていたのです。
平成15年の会長退任時には、全国で3000店を超えるチェーンに育て上げ、90〜2000年代のハンバーガー市場におけるシェアは約7割。藤田さんはハンバーガーを国民食にしました。
儲けた分、社員を厚遇してくれました。誕生日には1万円と特別休暇。元日には現金でお年玉。男性社員は端午の節句、女性社員は桃の節句にそれぞれ5000円。配偶者の口座に直接振り込まれる「奥様ボーナス」までありました。
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