「あのゾロゾロやめてよ。オレ、きらいなんだよ」

　数年前、弊社社長OBが口をとがらせて言いました。

「いっぱい人を並べる特集、またやってるだろ。あれ、やめたほうがいいよ。本誌はもっと読ませる記事をやらなきゃ」

　編集者はいつまでたっても編集者。だれもが腕に覚えあり、一家言あります。この元社長もかつては本誌編集長でした。

　どうも最近の目次が気に入らない様子。御不満そうな表情を見ながら、そのときは「たしかにそうだよなあ」と思ったのですが……。

　このOBが言うところの「ゾロゾロ」とは、30人、50人、100人と著名人を並べ、ゆかりのある人たちに話を聞く大特集のこと。「世界が驚愕した日本人54人」（2014年1月号）、「明治150年 美しき日本人」（2017年4月号）、「平成31年を作った31人」（2019年4月号）と本誌は折に触れやってきました。

　まさに1月号の大特集「昭和100年の100人　高度成長とバブル編」は、そのゾロゾロの典型です（ゾロゾロはこのOBの造語、文春では誰も使っていません）。

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