民泊とウーバーの不思議な世界を体験してみた
ネットを見ていると、近頃はなんでもかんでも「シェア」するかのようである。
家は「シェア・ハウス」で、仕事場も「シェア・オフィス」。車も自家用車ではなく「カー・シェアリング」し、自転車も「シェア・サイクル」で借りたりする。労働やボランティアも「ワーク・シェア」し、冷房を節約すべく公共スペースに出かけて「クール・シェア」。お金の貸し借りや物品の売買も「取引」ではなく「シェア」と呼ばれ、こうした情報も「パケット・シェア」されたスマホで「シェア」しているそうで、何やら丸ごとシェアリングエコノミーらしいのである。
これは人類史上の「革命」といわれている。爆発的なインターネットの普及。今やピッピッと画面をタップするだけで経済活動にアクセスできるので、「『経済的コミュニティ』が家族や近隣住民の枠をはるかに超えて、デジタル的に身分証明された全世界の人々に広がる」(アルン・スンドララジャン著『シェアリングエコノミー』日経BP社 2016年)ことになる。全世界がひとつのコミュニティになり、その内部でモノや仕事を融通するから「シェア」(共有)なのだ。
新たなる再分配。
余剰キャパシティの活用。
所有から利用へ。
経済の一大転換。すでに欧米では「永遠に満たされない所有欲や浪費欲から脱け出して、みんなにとっていいことを再発見する方向へ地殻変動を起こしはじめた」(レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース著『シェア』日本放送出版協会 2010年)らしいのである。
「シェア」で善人になるのか。
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source : 文藝春秋 2017年7月号