トランプ米大統領は、ウクライナ戦争を本当に止められるのか?

ウクライナ戦争開戦から3年 第3回

小泉 悠 東京大学先端科学技術研究センター准教授
長谷川 雄之 防衛省防衛研究所地域研究部主任研究官

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ニュース 国際 ロシア

2月24日、開戦から丸3年が経過したウクライナ戦争。2月12日にはアメリカのトランプ大統領がロシアのプーチン大統領と停戦に向けた協議開始に合意し、新たな動きが見え始めている。

 

ウクライナ戦争は今、どんな戦況にあるのか。第3回(最終回)となる今回は、プーチン年末会見と新型ミサイル「オレシュニク」、トランプ政権による戦争終結への展望などについて、小泉悠氏と長谷川雄之氏が語り合った。

(この対談は1月15、16日に配信された「文藝春秋PLUS」オリジナル動画をテキスト化したものです)

ロシアのウラジオストクで、中露合同演習に参加した中国人民解放軍の兵士ら(2024年9月21日)  ©SPUTNIK/時事通信フォト

新兵器「オレシュニク」の実態

――プーチンが恒例の年末会見(12月19日)を4時間半にわたって行いました。会見では、新しい中距離弾道ミサイル(IRBM)「オレシュニク」の使用についても触れられました。プーチン曰く、音速の10倍で飛ぶ極超音速兵器です。撃墜できないと言われていますが、その会見をどう受け止められましたか。

 小泉 オレシュニクの話で言うと、これがIRBMであるとすれば音速の10倍はちょっと遅いですね。この速度の言及にもブレがあって、プーチンは10倍から11倍、ウクライナの参謀本部は12倍と言っていたりもするんですが、12倍と見積もっても、せいぜい準中距離弾道ミサイル(MRBM)です。

 今回はカプースチン・ヤールという、ロシア南部にあるミサイルの開発基地から、ウクライナの比較的東部にあるドニプロに向けて撃ったのですが、距離としては800キロくらいで、IRBMを使うにはそもそも近すぎる。MRBMを撃ったと言われれば納得できなくはないですが、いずれにせよ、そんなにびっくりするような新兵器には見えないです。よほど変な軌道をとらない限りは迎撃も不可能ではないでしょう。

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