関税戦争、貿易摩擦にも耐えられる“強み”とは何か?
「失われた30年」――バブル崩壊以降の1990年代から2010年代の日本は“停滞”し続けたとして、当然のようにこう評されていますが、本当にそうなのでしょうか。
ドイツ出身で米国に住む外国人として来日するたびに、「日本」に対する日本人自身の認識とのギャップを感じます。「日本はダメだ。希望はどこにもない」という悲観論をあまりに頻繁に耳にするのです。
人口減少、高齢化、経済成長の鈍化、政府債務の増大、地方の過疎化など、現在の日本がさまざまな問題を抱えているのは事実です。しかしいずれも、どの先進国も直面している問題です。
そんななか、たとえば東京のような人口規模で、これほど快適で清潔で安全な大都市は、世界的に見ても珍しい。日本全体としても、医療制度が充実していて国民の健康状態は良好。経済格差は以前より広がりつつあるとはいえ、他国に比べればはるかに穏やかで、治安も社会秩序も素晴らしく良好に保たれている。
日本の人口規模は世界第12位ですが、GDPもいまだ世界第4位を誇っています。日本企業は、海外生産ネットワークを急成長させていますが、こうした国外での活動はGDPに含まれていません。
もし「失われた30年」が事実なら、今頃、こんな魅力的な日本社会は存在していない。本当は「失われていなかった30年」だったのではないでしょうか。
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