真っ向から「勤労」を否定する衝撃
この「働いたら負けかなと思ってる」の初出は、2004年(平成16年)9月にフジテレビの番組『とくダネ!』で放送されたニートの男性の発言である。さらに番組中では「今の自分は勝ってると思います」という言葉も続いた。いまや、「ニート」(Not in Education, Employment or Training, NEET)はすっかり一般名詞として社会に定着したが、当時はまだ珍しい言葉であった。
番組中に登場したニートの男性は丸刈りで、常に薄笑いを浮かべて
その後、ニートの概念が社会で広く知られていくいっぽう、「働いたら負け」という言葉もネット空間を中心に定着した。2011年には人気ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』に登場した、脱力系女子という設定のアイドル双葉杏(ふたば あんず)がこの言葉がプリントされたTシャツを着用している。
また、番組に登場したニート男性の姿も、放送から15年が経った現在もなお人々の記憶に残っているらしい。ネットを見てみると、ZOZOTOWNのコミュニケーションデザイン室長を務める田端信太郎氏が、外見的な相似を理由に「ニート男性のその後である」といった都市伝説が語られるなどしている(んなわけあるか)。