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「家事」と「ラジオ」

「家事 各家庭が日常の生活を保つ上で欠かせないととらえられる、家庭内の実務。来客との応対・清掃・洗濯・ごみ出しや炊事・育児など。」

 初版、二、三、四版「(二) 家庭内で、生活上必要な仕事。料理・洗濯・育児など。」

 五、六、七版「各家庭で毎日処理すべき、生活上の実務。来客との応対・清掃・洗濯・ごみ出しや炊事・育児など」

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 家事も細かく手が入っている。「処理すべき」という心でするものではない、と八版で新解さんはおっしゃっている。

 四版までは家事には「来客との応対」はなかったのに、五版からは一番最初に来ている。急にお客さんが来るようになったの? え、なんで、と思う。新解さんは着物で応対しているのかもしれません。

家事 ©️文藝春秋

「ラジオ」の用例に、初版から七版まで「最近の―はおもしろくない」とあって、八版からは「―から得られる情報は多い」となった。

 ラジオ製作者のみなさん、関係者のみなさん、これで喜ぶの早いと思います。ラジオから得られる情報が多いって、それは当たり前ではありませんか。むしろ、情報が得られないラジオの方が変だし、実は新解さんは「最近のラジオがおもしろいかどうか」には答えていない。それなら、やっぱり最近のラジオを聴いて、ちゃんと答えて欲しいと思います。これも引き続き観察しないといけないです。

「第七版」のラジオ ©️文藝春秋
「第八版」のラジオ ©️文藝春秋

「寄席 人を集め、金をとって、落語・講談・浪花節などを聞かせる所。」

 それはそうだけど、なんだかそれ以上の感想も生まれますね。これで、本当にいいのでしょうか。落語家のみなさん、どうですか。

 新解さんの言っている寄席を見ると、なんだかこわくてとても悪い場所みたいに思えるけれど、行くと楽しいですよ、それにだいたいは笑えるし。お金もね、芸人さんの芸に対してやっぱりお金は払わないといけないし、払いたいですよ。大事な物には身銭で自腹、タダでは全然身につかない。

「講談 調子をつけて、おもしろく話して聞かせる軍記・武勇談・あだ討ちなどの話。」

 うーん、それはそうかもしれないけれど、これで神田伯山は、いいと思うかと言ったら、そうじゃないと思います。語る時のほれぼれする姿や様子は、この「講談」の語釈からは伝わらない。チケットを取るのはとても大変ですが、新解さんも一度見てみて下さい。

「浪花節 三味線つきで語る通俗的な語りもの。浪曲。」用例「―的な〔=義理人情を中心に考える、通俗的で古風な〕言動」。

「通俗 分かりやすくて、専門的な知識などを持ち合わせていない人にも受け入れられる(ように配慮されている)様子だ。」

 うーん、浪花節って、通俗的って、そういうことなんですか。これでいいのでしょうか。浪曲の「うなるお姉さん」玉川奈々福、さあこれを一体どうと見る?!