昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

“顧客目線”時代にマーケッターが一番やってはいけないこととは?

「競争戦略×クリエイティブ」が最強の武器になる その2

source : ライフスタイル出版

genre : ビジネス, 働き方, 企業, テクノロジー, 経済, 読書

新たなコンセプト&サブスクリプション

楠木 サブスクリプションはどのような文脈の中で活きてくるんですか。

三浦 JINSの新しいコンタクトレンズ事業のサポートをさせていただいたのですが、〈日本の目にかつてない自由を与えるコンタクトレンズ〉というコンセプトにしました。高品質なメガネで知られるJINSが、高品質なコンタクトレンズをつくり、低価格で販売する。ユーザーにとっては、価格やクオリティを気にせず、欲しいと思った時に、自由に購入できる。かつこの商品をサブスクにしました。

 1回買ったら次からは毎回届く仕組みにして、買ってくれたお客さんの暮らしにおける自由度、すなわち幸せを増やすことを狙いました。リピート率も非常に高いようです。

 

楠木 なるほど、とてもいい話ですね。いまの三浦さんのお仕事には2つ重要な点があって、ひとつは価値の再定義をするうえで商品開発の段階からクライアントと取り組む重要性、もうひとつは、価値の再定義から作り込んだうえでサブスクを導入したからこそ「市場の濃縮」に成功したということ。ただ単に「コンタクトは何回も買い直すものだからサブスクでやるか」という話ではない。

サブスクという仕組みが後からハマった

三浦 「なんでもサブスクにしよう」ではうまくいかないんですよね。でも、コンタクトレンズのユーザーにとって、毎回購入する手間、商品の価格や品質を比較する手間は大きな課題でした。

 順番として、「コンタクトレンズユーザーの暮らしを自由にする」というコンセプトが先にあったから、サブスクという仕組みがハマったんです。

三浦崇宏氏

 楠木さんがよく「戦略ストーリーには順番が大切」と言われている通りの実践ですし、対概念の大切さでいうと、「現状認識はこうであるという課題」と「アップデートされた概念としてのビジョン」があってこそ、現状の何を打破すべきかが見えてくる。

z