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五能線から昭和レトロの「キハ40系」がなくなるなんて…!

 秋田県、青森県を走る五能線(東能代~川部間)といえば、鉄道ファンの間でも人気の高いローカル線である。普通列車として運行されてきた車両・キハ40系がついに今年度中に姿を消す。

鉄道ファンの間でも人気の高い五能線のキハ40系 ©️Kanako Azuma

 五能線は、たびたび女性誌でも「女性が行ってみたいローカル鉄道旅」などの企画で紹介されている。非テツな方が想像するローカル線といえば、知らない田舎で小さな1両編成の列車が健気にトロトロ走っていく。ときに海沿い、ときに山沿い、ときに花咲く草原を走る絵が浮かぶだろう。まさにそのイメージとぴったり重なるのが五能線キハ40系だった。厳しい冬の豪雪地帯を力強く走る姿にファンは多い。

 1977年にデビューしたこの車両は、JR各社で運用されていたが、老朽化のため、2000年代に入り、次々と引退。30年以上、人々と生活を共にしたこの車両。1歩足を踏み入れれば、香ばしい軽油のにおいが立ち込め、ディーゼルカーであることを実感せずにはいられない。令和を走る昭和レトロな旧国鉄車両は、私たちに温もりを与え続けてきた。

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 置き換えられる新型ディーゼルカー「GV-E400系」は、12月頃から営業運転開始の予定。都会的なステンレス製のボディを用いたさわやかなデザインだ。

五能線で新しく走るGV-E400系はスタイリッシュ JR東日本公式HPより

 五能線と同じく、JR東日本秋田支社の津軽線を走るキハ40系も見納めとなる。ダイヤ改正後、蟹田~三厩間はすべてGV-E400系に置き換えられるそうだ。

 同線が走るこのエリアは、太宰治の小説『津軽』に描かれたところとして有名。津軽線からは少々外れるが、新青森駅に寄ったら太宰ラーメン(正確には「太宰らうめん」)は是非食しておきたい。太宰の好きだった根曲り竹とわかめがトッピングされたラーメンだ。